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FX 5つのメリット・デメリット

FX(外国為替証拠金取引)のメリットは、少ない資金で始められること、平日は 24 時間取引できること、選ぶ通貨ペアが株式の銘柄より少ないこと、レバレッジで資金より大きな金額を取引できること、そして売りから入れることの 5 つです。一方で、レバレッジの仕組みは損失の側にも同じように働くため、FX にはリスクの高い金融商品としての側面があります。

メリットとデメリットは、どちらも「レバレッジ」と「差金決済」という同じ仕組みから生まれています。仕組みを理解しないままメリットだけを見て始めると、想定していない速さで資金が減る場面に戸惑うことになります。逆にデメリットの正体が分かっていれば、レバレッジの倍率と資金管理でリスクの大きさを自分で調整できます。

本記事では、FX の 5 つのメリットと 3 つのデメリットを、それぞれの仕組みとあわせて解説します。FX をこれから始めようとしている方、始めたばかりで他の投資との違いを整理したい方を対象にしています。読み終えるころには、FX が自分の資金と時間の使い方に合う投資なのかを、仕組みをもとに判断できるようになります。

目次

FX の 5 つのメリット

FX が他の投資と比べて選ばれる理由は、資金・時間・選択肢・レバレッジ・売買の方向の 5 点にまとめられます。順番に見ていきます。

少額から始められる

株式投資は単元株制度のため、銘柄によっては 1 回の売買に数十万円が必要になります。FX は必要な証拠金が取引量とレバレッジで決まるため、国内業者でも数万円、海外業者では数百円から取引を始められるところがあります。

少額で始められることは、投資に慣れるまでの練習を小さな金額で行えるという意味でメリットです。ただし、少額で大きな金額を動かせるのはレバレッジの効果で、その分だけ損益の動きも大きくなります。この点は後半のデメリットで詳しく説明します。

平日は 24 時間取引できる

株式市場の取引時間は平日の日中に限られますが、為替市場は世界のどこかの市場が開いているため、FX は月曜の早朝から土曜の早朝まで、平日はほぼ 24 時間取引できます。

日中に仕事をしている人でも、帰宅後や就寝前の時間に取引できます。日本時間の 22 時前後(夏時間は 21 時前後)からはニューヨーク市場が開き、経済指標の発表も重なるため、値動きが大きくなりやすい時間帯です。値動きが大きい時間帯は利益の機会も損失の機会も増えるので、取引する時間帯を決めておくことが資金管理の一部になります。

選ぶ対象が少ない

株式は国内だけでも数千の銘柄から選ぶ必要がありますが、FX で多くの人が取引する通貨ペアは米ドル、ユーロ、英ポンド、日本円など主要通貨の組み合わせに集約されます。

対象が少ないことは、値動きの背景(各国の金利や経済指標)を追いやすいという意味でのメリットです。専門的な知識が不要という意味ではなく、覚えるべき対象が絞られていると捉えるのが正確です。通貨ペアの仕組みは FX 通貨ペアとは で解説しています。

レバレッジで資金より大きな金額を取引できる

レバレッジとは、預けた証拠金を担保にして、その何倍もの金額を取引できる仕組みです。国内 FX 業者の最大レバレッジは金融庁の規制により 25 倍で、5 万円の証拠金なら最大 125 万円分の取引ができます。海外の業者では数百倍の最大レバレッジを提供しているところもあります。

これは借金をして取引しているわけではなく、決済したときの差額だけをやり取りする「差金決済」という仕組みによって成り立っています。取引金額が大きくなる分、同じ値動きでも損益の金額は倍率に応じて大きくなります。仕組みの詳細は FX レバレッジとは にまとめています。

売りから取引を始められる

株式の現物取引は買いから始めるのが基本ですが、FX は「売り」から取引を始められます。相場が下がると考えるなら売り注文を出し、下がったところで買い戻して決済する、という流れです。

上昇相場でも下落相場でも取引の機会がある点はメリットですが、相場の方向を読み違えれば、買いでも売りでも同じように損失が出ます。「どの相場でも利益が出る」のではなく、「どちらの方向にも取引できる」という意味で理解してみましょう。

FX の 3 つのデメリット

FX の利点はすべて、レバレッジと差金決済の仕組みから生まれています。同じ仕組みがそのまま、次の 3 つのデメリットの原因にもなります。

注意

「元本が減らない」「利回りが確実」とうたう投資商品や情報商材は、金融商品取引法のもとでは成り立たない説明です。FX に限らず、投資にはすべて損失のリスクがあります。

投資した資金の大半を失うことがある

株式の現物取引では、投資先の企業が倒産しない限り株価がゼロになることは少なく、損失は投資した金額の範囲に収まります。FX はレバレッジによって取引金額が証拠金の何倍にもなるため、値動きが逆方向に進むと、証拠金の大半を短い時間で失うことがあります。

業者にはロスカットという仕組みがあり、損失が一定の水準に達すると保有しているポジションを自動的に決済します。ロスカットは損失の拡大を止めるための制度ですが、証拠金の一部は失われた状態で決済されます。仕組みは FX のロスカットとは で詳しく説明しています。

国内 FX では追証が発生することがある

相場が急変したときや、週末をはさんで月曜の始値が金曜の終値から大きく離れて始まる「窓開け」のときは、ロスカットが本来の水準で執行されず、口座残高がマイナスになることがあります。

国内 FX 業者は、法律により顧客の損失を補填することが禁止されているため、マイナス分は追加証拠金(追証)として顧客に請求されます。海外の一部の業者は、マイナス残高をゼロに戻すゼロカットという制度を設けています。ただしゼロカットの適用は業者の裁量と約款に依存し、損失が証拠金の範囲に収まることを保証するものではありません。国内と海外の違いは 国内 FX VS 海外 FX で整理しています。

値動きに対する損益の変化が速い

レバレッジが高いほど、同じ値動きに対する損益の変化は大きく、速くなります。この性質は利益の方向にも損失の方向にも等しく働くため、FX はハイリスク・ハイリターンの金融商品と位置づけられています。

レバレッジ 1 倍で取引すれば外貨預金に近いリスクの大きさになりますが、それでは FX の利点である資金効率は得られません。どの倍率で取引するかは、自分の資金と許容できる損失の大きさから逆算して決めることになります。

国内 FX の最大レバレッジは、2010 年 8 月に 50 倍、2011 年 8 月に 25 倍へと段階的に規制されました。それ以前は国内でも数百倍のレバレッジで取引できましたが、大きな損失を出す個人投資家が多かったことが規制の背景にあります。

メリットとデメリットは同じ仕組みの表と裏

少額で始められることも、大きな損失が出ることも、どちらもレバレッジと差金決済から生まれています。FX で長く取引を続けるための鍵は、この仕組みを自分でコントロールすることにあります。

  • 最大レバレッジの上限まで使わず、実効レバレッジを低く保つと、同じ値動きに対する損失の割合を小さくできます
  • 取引する前に損切りの水準を決め、ロスカットに頼らず自分で損失を限定します
  • 生活に必要な資金は使わず、失っても生活に影響しない範囲の資金で取引します

取引を始める前に知っておきたい失敗の型は FX 初心者が失敗する 10 の典型的な失敗例と克服方法 にまとめています。

FX 初心者向けの関連記事

FX の仕組みを順番に理解するための記事です。用語から先に押さえたい方は上から読み進めてみましょう。

よくある質問

FX は株式投資より難しいですか

仕組みの理解に必要な用語は、レバレッジ・証拠金・ロスカット・スプレッドなど限られています。難しいのは知識そのものより、レバレッジによって損益の変化が速いことへの対応です。少額と低いレバレッジから始めて、値動きの大きさに慣れてから取引量を増やすのが一般的です。

レバレッジは何倍で取引するのが一般的ですか

決まった正解はなく、資金と許容できる損失から決めます。最大レバレッジの上限ではなく、実際の取引金額を証拠金で割った「実効レバレッジ」を数倍程度に抑えて始める人が多く、慣れてから調整していく形になります。

追証を避ける方法はありますか

国内業者では、相場の急変や窓開けで口座残高がマイナスになると追証が発生する可能性をゼロにはできません。取引量を抑えて実効レバレッジを低くすること、週末や重要な経済指標の発表前にポジションを減らすことがリスクを小さくする基本です。

まとめ

  • FX のメリットは、少額・24 時間・対象の少なさ・レバレッジ・売りから入れることの 5 つです
  • デメリットは、資金の大半を失うことがある・国内では追証が発生することがある・損益の変化が速いことの 3 つです
  • メリットとデメリットはどちらもレバレッジと差金決済という同じ仕組みから生まれています
  • ロスカットとゼロカットは損失を限定する制度ですが、適用条件は業者の約款に依存し、損失の上限を保証するものではありません
  • リスクの大きさは、実効レバレッジと損切りの水準、投じる資金の範囲で自分で調整できます

まずはレバレッジと証拠金の仕組みを理解したうえで、失っても生活に影響しない範囲の資金と低い倍率から始めてみましょう。

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